貿易の理論は育児の役割分担にも役立つ話
今日は国際貿易の理論はそのまま育児のパパママ役割分担に使える、いやもっと言えば国際貿易よりもフィットすることを説明したいと思います。
リカードの自由貿易理論をカンタンに解説
経済学部や商学部出身の方はご存知かもしれません。
(ご存じないなら・・)
知らない方もいらっしゃるかと思いますのでカンタンに説明したいと思います。
※画像はこちらから引用しております。解説もこちらが詳しいです。
"比較優位"とも言われていますが、ここではイギリスとポルトガルでぶどう酒と毛織物を生産している場合を例にして説明されています。
ぶどう酒と毛織物それぞれ1単位作るのにどれだけの人力が必要かというのを表しています。
表の左を見てもらえればわかるようにポルトガルのほうがイギリスよりもぶどう酒と毛織物どちらも少ない人力で生産することができます。
なので、この生産物しかない世界においてはポルトガルのほうがイギリスよりもすべての面で生産性が上だということです。
そうするとこの2国間で貿易をするメリットはないでしょうか?
なんとなく貿易というのはお互いの得意なところと苦手なところを補うイメージがありますね。
しかし、この答えはNOです!
どうすればよいかは表の左側にありますが、ポルトガルの中で見れば相対的にはぶどう酒よりも毛織物のほうがより得意(生産性が高く)で、イギリスではぶどう酒のほうが得意です。
なので、ポルトガルは毛織物に特化、イギリスはぶどう酒に特化してみたのが表の右です。
そうするとあら不思議、どちらの国の生産量も上がっていて、全体の生産量も増えています。
これが自由貿易のメリットです。
これをリカードは"分業"と表現していますが、これも僕たちのイメージする"分業"とは異なります。
僕たちのイメージする"分業"とは、1つの仕事を分担するイメージですよね。
たとえばぶどう酒の何割かは僕とこ、みたいな。
でもリカードの"分業"はぶどう酒を作る、毛織物を作るという仕事単位で分けることを"分業"と呼んでいます。
これは仕事にも使える
僕は仕事でグループリーダーとして仕事をメンバーに割り振らなければならないときに、この"分業"のやり方は使えるのではないかと思いました。
仮にAくんよりもすべてのスキルで優れているBくんがいたとしましょう。
リカードの自由貿易理論を知らなかった僕たちは、Aくんの使い方には頭を悩ませていたことでしょう。
しかし、自由貿易理論を使えば、AくんとBくんがそれぞれ自分の中の得意分野に特化することでそれぞれの生産性、そしてチームとしての生産性をアップさせることができるのです。
リカードの自由貿易理論は数学的、というより算数的な話なので国家で成り立つならば当然人間にも成り立つはずだからです。
育児における役割分担にも使える
僕は今年パパになりました。
パパになってパパママ育休を取得しましたが、当然パパとママでの役割分担があります。
パパママ育休というと、パパとママで赤ちゃんの面倒を見るイメージがめちゃくちゃ強いと思いますが、ここでの分業にも自由貿易理論に当てはめて、パパはママの世話を、ママは赤ちゃんの世話に専念するという"分業"を推奨しています。
当然パパはおっぱいが出ないし、赤ちゃんも始めはママしか認識できません。
また、赤ちゃんの様子の変化を読み取るのはママのほうが上手でしょう。
当然パパは赤ちゃんの世話よりもママの世話のほうが比較優位があるわけです。
その考え方を推し進めると、パパはママの世話を、ママは赤ちゃんの世話に専念することが生産性を最大化させるということがわかります。
さらに実際の貿易以上に育児分担に自由貿易理論がフィットするわけ
さらに僕は育児における役割分担に自由貿易理論は実際の貿易以上にフィットすると考えています。
貿易や上に書いた人材配置において自由貿易理論を当てはめることは長期的な目線でのデメリットがあります。
具体的に言うと、貿易でとある特産品に生産を特化させることで強国への依存度が高まります。
つまり、高い関税をかけられたり、強力な代替手段が開発されることで一気に衰退する可能性があります。
これは人材配置も同じで、優秀なBくんがいきなり辞めたり異動したりする可能性もあるし、長期的に見て同じ仕事のスキルしか磨かないのはいびつです。
つまり、その瞬間は良くても長期的なデメリットがあるわけです。
その点、赤ちゃんの育児というのは繰り返し発生するものではなく一過性です。
子どもがすぐ自立するわけではありませんが、おっぱいをずっと飲んでいるわけでもなく、おむつをずっとつけているわけでもないので、長期的ないびつさは発生しづらい状況だと言えるわけです。
赤ちゃんの育児における比較優位は、母乳とママの識別を起点としていますが、赤ちゃんの成長に伴いいずれも解消されるので、パパが家事専念しておいたほうが長期的にもいいと思います。
ちなみに比較優位を考えると、パパが働きに出てママが家を守るという昔の"分業"のスタンダードも合理性があったわけですね。
しかし、瞬間の生産性は高くても、長期的に見て女性の社会進出が妨げられること、男性への依存が強まることなど、上に書いたデメリットがそのまま発生していることも確認できます。
というわけでこれからの"分業"スタンダードは、パパはママの世話を、ママは赤ちゃんの世話に専念するという"分業"でいかがでしょう??
おまけ
男性育休のまとめとして男性育休Q&Aを作成します。
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