男性育休記事を斬る〜妻の悲鳴編②
さて昨日の続きです。
育休に関する奥さんの悲鳴編。
Cさんの家は夫の両親との二世帯住宅。義理の両親、とりわけ姑さんとの仲も良好だったCさん。夫の「俺、育休取るから」という一言で、近くの産婦人科での出産を決意。「私の両親は里帰り出産してほしいようでしたが、姑さんもいい人だし、夫と協力して育児をしていきたいな、と思ったんです」
しかし、いざ出産してみると、「息子が何をしているか心配だ」と言って毎日様子を見にくる義理の両親に辟易。
「子供の世話をする夫の姿を見て『私たちのときとは時代が変わった』『男が育児をするなんて』『ずいぶん楽な育児しているわね』だのなんだの。ついに夫に『あなたが家に居るとお義母さんたちの視線がイタい。頼むから仕事復帰してくれ』と言ってしまいました」
出た!
義理の両親とのいざこざ!
特に妻⇔旦那両親との関係がとても良好だという話を僕はあまり聞いたことがないです・・
まぁうまくいっているケースなんて誰の琴線にも触れないので、うまくいっていないケースしか取り沙汰されないわけですが・・
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
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↑このへんの話は去年流行ったこの本がおすすめ。
「今日も全ての航空機が無事着陸しました!」はニュースにならないけど、「今日◯◯で航空機が着陸に失敗しました!」は1件でも大ニュースになるということから、いかに人間がレアケースによって印象が作られているかがわかる本です。
さて、話を戻すと義理親との関係の話です。
義理親における2つの関係、妻⇔旦那両親と旦那⇔妻両親との関係ですが、前者の妻⇔旦那両親のほうがうまくいかないケースが多いように思います。
今回の記事にある二世帯住宅&育休の組み合わせでうまくいかないって、育休取らなかったらうまくいくのか?という問いに答えなければ育休が悪いっていう結論にはならないですよね。
「息子が何をしているか心配だ」と言って毎日様子を見にくる義理の両親に辟易。
この部分は育休を取らなかったら取らなかったで「ひとりで見切れるのか心配だ」とかいって毎日来るのがオチなんじゃないでしょうか。
さて、こういう妻⇔旦那両親という関係で僕が気をつけているのは、自分の両親から妻に直接コンタクトさせずに自分を介させるということです。
僕が育休を取るとなったとき、僕の両親は
「◯◯さん(妻の名)が取ってほしいと言っているの?」
と訊いてきました。
※ちなみにこの質問は会社でもめちゃくちゃ聞かれます。
事実僕のケースの場合は僕の希望が強かったのでその通り答えていましたが、いずれにせよパパ主導で答えたほうが記事の事例を見てもよさそうに思います。
次。
「子供の世話をする夫の姿を見て『私たちのときとは時代が変わった』『男が育児をするなんて』『ずいぶん楽な育児しているわね』だのなんだの。
出た!24時間育児脳。
僕の経験からするとそもそも新生児の育児はひとりでやるにはあまりにキャパオーバー。
それを見て『楽な育児をしている』というのはどういう思考かというと、
ワンオペ育児をした私 vs 二人で育児をするあなたたち
というのを比較して「楽だ」といっているわけですね。
こういう風にしんどさを相対的に比較して苦楽を判定する脳になるとろくなことが起こりません。
僕はこういう「しんどい育児こそ育児」「腹を痛めて初めて母」みたいな論理って全く合理性を感じないんですが、意外にもその経験者の人が言っているケースが多いことがとても気になります。
これは『PL学園野球部脳』と名付ければいいかもしれませんが、下級生のときにこき使われると上級生になったら下級生も当然そうすべきだという脳になっているという。
しかし実際は人間らしくない生活を他人に強いられる筋合いなんてものは全くないわけなので、あくまで判断は
その生活が人間らしいか
だけで判定されるべきであって、これまでのやり方から楽になっているから悪みたいな発想はまぁ比較のモノサシとしての機能はないですね・・
僕がよくお金のコーナーで言っている、
「アフリカ難民の生活に比べたら全然楽なんでマグロ漁船乗りましょう!」
みたいな論法はどこかしこに存在します。
仕事をしているときも思ったし、育児をしても思いましたが、人間て絶対思考よりも相対思考のほうが圧倒的に好きみたいですね。
つまり、「そもそもこれってどうなの?」を突き詰めるよりも「あれに比べて楽、儲かる」みたいな論法のほうが気持ちいいということ。
気持ちはわからんでもないですが、正しい答えは到底出せないですよね。
しかしそういうマグロ漁船論法ではめ込みに来る営業マンは多いですし、しんどい生活を賛美してくる義理親がいるというのは世の常なのかもしれないですね。
いずれにせよ今回の問題については