たくさん本を読める人と読めない人の違い
何かを学ぶ上で読書というのはチートである。
あまりに効率が良すぎるのだ。
たとえばとある偉人が生涯かけて学んだことを、ものの数時間で追体験することができる。
こんなことは本以外ではありえないと僕は思う。
実際僕は昔から本を読むのが好きで時間を見つけては本を読んでいた。
さらに最近は大量の本を読みこなすことを実践していて、子どもが産まれてからでもひと月10-20冊くらいは読んでいると思う。
しかしたくさん本を読める人とそうでない人というのはくっきり分かれている。
今日はこの違いが何かについて書いておきたい。
違いを生み出すもの
たくさん本を読める人とそうでない人の違い。
それは
損切り力
があるかないかが決定的だと僕は考えている。
みなさんの中にこういう人はいないだろうか?
僕の妻の例を挙げてあとで怒られないか心配だが、彼女は典型的な読書ができないタイプの人間だ。
そんな彼女も1年に1回くらい本を衝動的に買ってくる。
みたら『夫を劇的に変える◯の方法』とかそういうやつのことが多いが、その読書の様子を観察するとだいたいこんな感じになっている。
まず本の包み紙を丁寧に開けて前から順番に読んでいく。
30分もしないうちにスマホを取り出したりコーヒーを淹れに行ったりする。
それからしばらく読むが章の区切りまで頑張ったのかしおりを挟んで読書を中断する。
しばらくリビングにその本はいるが、やがて本棚にしまわれてしまい、二度と日の目を見ることはなかった。
どうだろう?
これが典型的な読書が苦手な人の行動パターンだと僕は断言する。
読書家の読書の仕方は全然違う
世の中に影響力がある優れたオピニオンリーダーは読書家が多いと思っているし、その人たちの本や動画を僕もよく見る。
そんな中で、いわゆる"読書家"と呼ばれる人も本を隅から隅まで読んでいる人は稀であり、『これは違う』となったらさっさと手仕舞いにする、つまり『本の損切り』ができている人が多いことに気付かされた。
読書家の人でよくあるスタイルとして、関心のあるジャンルについて該当の本棚にある関連書籍を全て買うというものがある。
しかしこういうスタイルの人もこれらの本を全て隅々まで読んでいたのでは時間がいくらあっても足りない。
(ちなみに平均的スピードで読むと1冊3時間かかる)
勝間和代さんは次の動画で読書方法について語っているが、要点はこうなる。
- 最初から読むのではなく気になった章から読む
- 全部熟読するのではなく流し読みして気になるところを精読
- 音声データにして聞く
実際に勝間さんはたくさんの本を出版されている経験から、出版には文字数も大事なのでかなりボリュームを膨らませて書いているが、実際読むべき箇所は限られている。
だから全部前から熟読するのではなくパッパッと流し読みすることを薦めている。
他のとある人(名前忘れた)も『目次を熟読後、流し見で一通り見て、気になった箇所だけ精読し直す』と同じことを言っていた。
実は僕もこれを実践するようになって劇的に読書量が増えた。
全部熟読していないのだから当たり前である。
人によってはそれで◯冊読んだというのはウソじゃないか
という指摘もあるかもしれない。
そう言われたらそうである。
反論はできないが、精読した書物の数で競っているわけではないので問題はないと考えている。
知識習得効率に着目する
なんでも知識を身につけるときに100の知識があるとしたら、最初の70くらいにいくまではすんなりいくが、70を100に引き上げるのにそこから3倍くらいの時間がかかることがよくあると僕は考えている。
たとえば
最初の70・・・3時間
70から100・・10時間
こんなイメージである。
※話は脱線するが資格試験なんかはこの傾向が顕著にあると思っている。
というのは資格そのものの本質的な知識を習得する以上にその試験のクセやマニアックな例外に適応していく時間がものすごくかかるイメージがあるからだ。
だから僕は運転免許くらいしか資格を持っていない。
仮に手持ちに30時間を費やすなら、100の知識3つ(300)よりも70の知識10個(700)のほうが僕は価値が高いと考えている。
これを僕は知識習得効率という観点で考えるようにしている。
そしてたちの悪いことに質の悪い本にあたると10時間かけて2くらいしか学べないことも多々あるのだ。
もちろん100の知識が必要な人もいると思うし、それはケースバイケースにはなるとは思うが、大多数の人は70の知識をたくさん仕入れたほうが得することは多いと思う。
とにかく最初は完璧を求めて辞めてしまうことより、荒削りでも続けていくことのほうが大事なので、
- 気になるところから読む
- 流し読み
- 面白くなければポイする
の3点を実践するのがいいと思う。
損切り読書の相乗効果
そしてこれをやっているといくつかの相乗効果が産まれてくる。
まずはだんだんと自分なりの損切りポイントがはっきりしてくるということ。
こればっかりやってると、ダメだなとすぐ思えるようになってくる。
それが合っているかどうかは関係がない。
自分が合わないと思えば辞めていい。
自分の場合はなぜか角川文庫の本が全く読めない。
内容以前にフォントやコマ割りとかそういうレベルで精神が拒否している感じがする。
流し見を初めて全く頭に入らないなと思って出版社を見たら角川文庫であることが実際すごく多い。
本質的な選び方ではないが、読めない本で時間を使う必要はない。
あと、夏目漱石の本も昔から読めない。
三四郎という本をたぶん10回はチャレンジしたが、半分持たずにいつも挫折していた。
当時はそれが悔しかったが、今から考えたらさっさと他の本にいけばよかったと思う。
もう1つ。
それは色んな本に共通して出てくる主張がわかるようになること。
冒頭1ジャンルの本を片っぱしから読むことを薦めたが、1つの本の熟読ではそこに出てくる主張がメジャーなのか特異なのか見分けがつかない。
しかし大量に流し見をすると、同じ主張が出てくると気付けるようになってくるのだ。
人間自分が知っていることだと目が止まりやすいらしい。
こうすると、だんだんこれは一般的な意見なんだな、とかこれはコイツしか言ってなかったな、というのが自分の中でわかるようになる。
これがまさに本で調べる上では特に重要な気付きであると言える。
少し長くなってしまったが、このように本を損切りして読むようにすると、飛躍的に本が読めるようになるし、相乗効果の波に乗れるよ!というお話でした。