【お金ブックレビュー】生命保険のからくり②
さて今回は「生命保険のカラクリ」のブックレビュー後編です。
今回は生命保険のよくある誤解、というかよく誘導されるセールストークの罠を解き明かしていきます!
ちなみに前回
生命保険の本当
生命保険も色んなセールストークで販売されていますが、本当の姿も明らかにされます。
ここでは生命保険にかかわるよくある疑問を通して解説していきます。
- どの会社も同じ料金か?
- 保険にボーナスはあるか?
- 掛け捨ては損か?
順番に説明していきましょう。
どの会社も同じ料金なのか?
実は生命保険が自由化される前は監督官庁によって厳しく料金が決められており、ほとんどどこも似たりよったりの料金だったそうです。
それが現在は自由化されており、各社自由な価格設定をしています。
そして実態としては
保険会社によって同じ保障内容で2倍以上差がついている場合もある
しかし商品がかなり複雑で単純比較もしづらいので見分けづらい
状況になっていると言います。
これは感覚的には完全に同意ですね〜。
(たとえるなら味付けされたたこ焼きと、お好み焼きの元を比較するような状況がよく起きます)
よく「保険料が安い」といったセールストークをよく聞きますが、『何に比べて』安いかというのが非常に操作しやすくなっており、逆にぼったくられる温床になっていると言えるでしょう。
保険にボーナスは存在するのか?
これ非常に納得の主張でしたが、保険にボーナスはないということです。
どういうことかというと、『満期になると◯万円返ってくる!』とか『安い』とかありますが、ああいうのは別にボーナスでもなんでもなく、見せ方の問題でしかないということです。
たとえば最初に200万円払ってあとで100万円返ってくるのと、最初に100万円で済むという違いでしかないということです。
前者だと『満期になると◯万円返ってくる!』というセールストークになるし、後者だと『他社に比べて半額!』みたいなセールストークになるということですね。
また、よく言われることに
若いうちに入ると得
というセールストークもよく耳にします。
これも岩瀬さんに言わせるとそんなことないと言います。
つまり、保険料の計算においては20歳に入るとの、40歳で入るのとでは死亡率も加味して厳密に調整されており、単純に早くから前払いしているようなものだということです。
ただし、後年になって病気になってしまってからだと保険に入れなくなってしまう可能性があるのでそのぶんは差があるということです。
なのでここでも『若いうちに入るボーナス』というのは存在しないということになります。
掛け捨ては損?
よく『掛け捨ては損』というセールストークも耳にします。
果たして答えはなんでしょうか?
答えは
掛け捨てだから損ということにはならない
ということです。
保険というのは『掛け捨て』の他に『貯蓄型』というのがあります。
貯蓄型保険というのは保険料を100万円払って10年とか満期後に解約しても100万円以上返ってくる保険のことを言います。
払い込んだ保険料がそっくりそのまま返ってくるだけではなく、お釣りまでついているのでお得!というわけですね。
しかし岩瀬さんによると、この貯蓄型保険も中身は掛け捨て保険と貯蓄の組み合わせに過ぎないと言っています。
つまり払い込んだ100万円のうち、50万円は掛け捨て保険に回され、残り50万円から生保レディへのキックバックを払い、残りを生保会社が運用してその利益を一部ピンはねして顧客に返すという構造になっているというのです。
※金額は適当です。
したがって貯蓄型保険は掛け捨て保険と資産運用を両方申し込んで、高い手数料を徴収されているに過ぎないというわけですね。
※さらに他の本で読みましたが、こういう風に複数の性質を持たせることによって高い手数料を紛れ込ませやすくなるとも言われています。
まぁこのへんはちょっとライフネット生命関係者としてのポジショントークも入っているんではないかと思わないでもないです。
僕はこのあたりの話は考慮した上で貯蓄型保険に加入しましたが、改めて今回の本を読んで考え方が変わることはなかったですし。
結局どの保険に入ればいいか
では結局どの保険に入ればいいか?という話を書いて終わりにします。
結論は
それぞれの人のライフスタイルや考え方によって変わる
というのが本書の結論です。
『これだけ入れば間違いない!』というのを期待していた読者の方にとっては非常に物足りなく映るかもしれませんが、僕もこれには同意します。
ちなみに僕は10年ほど前にライフネット生命で掛け捨ての生命保険に入っていましたが、妻の出産を機に保険をソニー生命に全て見直しました。
ライフネット生命は保険料は安いと思います。
しかし全てネットで完結し、保険のことを知らないまま、誰とも話していないまま加入したため、とても自分のライフスタイルに合った内容にはなっていませんでした。
これは格安スマホに置き換えるとわかりやすいと思いますが、安いという理由だけで格安スマホが絶対良いということにはなりません。
なぜなら格安スマホの場合はメンテンスやアフターサポートなどで自分でやる範囲が広いからですね。
言い換えれば『料金を安くする代わりに自分でやる範囲を増やしている』というわけです。
保険も全く同様です。
保険は契約も長く、総支払額も人生で2番目に高いと言われるほど高額な商品です。
それなのに自分に全く合っていない商品を契約していたら全く意味がありません。
僕は携帯電話で言えば窓口で操作を教わらないとできない人相当であり、格安スマホ相当のライフネット生命を扱いきれなかったわけです。
ゆえに料金が安いのは誰にもプランニングしてもらえないということの代償でもあるわけです。
ソニー生命では自分の家族構成や実現したい夢などを元に将来に必要な金額を算定してくれ、それを賄えるように保険金額を教えてくれます。
実は保険相談に行く前に次の本でプランニングの基本的な考え方を予習していきましたが、その考え方通りの提案だったので申し込むことにしたわけです。
これ最初はKindleUnlimitedに入っていたのが現在はなくなっています。
それでも600円くらいの本で中身もとてもいいですよ。